2013/11/01
漢方薬の教科書
「金匱要略(きんきようりゃく)」には、婦人病について特に詳しく載っています。
・ 婦人妊娠病脈症
・ 婦人産後病脈症
・ 婦人雑病脈症
その中で漢方薬の独特な考え方に、「瘀血(おけつ)」という言葉があります。
瘀血(おけつ)
昔から言い伝えられている古血、血の道のことです。
症状
のぼせ・いらいら・肩こり・目の疲れ・目の充血・耳なり・口の乾き(口の中の充血)・頭痛・よく眠れない・眠りが浅い・高血圧・低血圧・便秘・シミ・静脈瘤・静脈が黒い・手足のしびれ・手や爪の汚れ・不安感・追いかけられる感じ・急に怒りっぽくなる(感情、感覚が不安定)
ex.漢方の本「金匱要略(きんきようりゃく)」
→ 婦人の病い「癥痼(ちょうこ)」 ⇒ 子宮筋腫(子宮に瘀血がたまる)
ex.肝炎・腎炎・心筋梗塞(古血が内臓にたまる)
ex.血液の病気(肝臓病・リウマチ・膠原病・エリテマ・他難病)
ex.顔のシミ(顔の皮膚は筋肉・血管とくっついているためシミができやすい)
ex.血の道の薬「首より上の薬」:便秘薬・下剤
原因
生理が正常でない | 月経過少・月経過多 |
子どもの数が少ない | 出産により血がきれいになる ex.西丸震哉(生態学者)“人間は滅びる” |
出産が正常でない | 不妊治療・流産・産後うつ |
食生活がよくない | 過食・便秘、 味付けが濃い・あくの強い物(産後は特に)の取り過ぎ ex.イカ・エビ・わらび・ぜんまい |
自律神経のみだれ | 夜ふかし・夜食・不眠 |
生活志向の男性化 | 過度の緊張・運転・アルコール・男女平等・夫婦生活が少ない |
治未病(みびょうちす)(病いになる前に治す)
血液のヘドロ化(瘀血)
新陳代謝が悪く、酸素が少なくなる
二酸化炭素が多くなり、老廃物が多くなる
粘稠度が高くなる
↓
体内浄化法
宿便をとり便秘を治す
↓
体質改善
瘀血をとり血液をきれいにする
赤ちゃん 1年
子ども 3年
大人 6年
↓
養生法
治療
血液を浄化する | 漢方薬 苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ) 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン) 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン) 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ) |
肝臓、腎臓を強化する | 肝=解毒作用 腎=血の洗濯機 |
生活の仕方、考え方を変える | 不易流行・更年期以後の生き方 |
努力によって瘀血をとることが過納です。
日頃の養生が大切です。